洋書が読めるようになると、好きな本を原作で楽しめたり、英語力がアップしたり、自信がついたりと、たくさんのメリットがあります。
この記事では、洋書を読むメリットを解説しています。
これから洋書に挑戦しようと思っている方や、洋書に苦戦中で、洋書を読む理由が分からなくなってしまったという方の参考になると嬉しいです。
① 原作の面白さを味わえる
日本の翻訳本のレベルはとても高いので、ほとんどの場合、原作を読まなくても十分楽しむことができます。でも時々、翻訳がしっくりこなくて、「原作で読めたらなぁ」なんて思うことはありませんか。特に造語や言葉遊びが多い本は、日本語にすると、少し違和感のある文章になってしまうように思います。
また、どんなに翻訳が素晴らしくても、翻訳には訳者の解釈が含まれているのも事実です。例えば一人称に、「私」「俺」「僕」「ワシ」「あたし」などの中から、どれを選ぶのか。あるいは語尾の口調を、「〜です」にするのか、「〜だぜ」や「〜よ」とするのか。小さいことのように見えますが、こうした人称や口調によって、読者がイメージするキャラクター像は変わってきます。
ですから、翻訳本の場合、読者は翻訳者のフィルター(=物語の世界観やキャラクターに対する理解)を通して本を読んでいるともいえます。原作が読めれば、他人のフィルターを通すことなく、自分自身で、物語の世界観やキャラクターを想像し、楽しむことができます。
② リーディングが得意になる
読書を習慣化すると、読む速度がぐんと速くなり、リーディングが得意になります。リーディングが得意になれば、英語のテストでも得点源になりますし、仕事で英語の資料やメールを読む時にも役立ちます。また、海外の大学に留学する方なら、授業の予習でたくさんの課題図書を読む必要がありますから、速読スキルを身につけておいて損はありません。
私は、リーディングの速度を上げるのに、近道はないと考えています。世の中には、「長文対策」や「速読のコツ」など、様々な情報があふれていますが、小手先のテクニックより、普段から英文を読む習慣をつけて、リーディング力を鍛える方がずっと本質的です。その点、洋書は楽しみながらリーディング力をつけられる、最高の教材です。
③ 語彙力が向上する
英語の試験では高い得点が取れるのに、日常で使う単語がぱっと出てこない。そんな経験はありませんか?
例えば、家の中にあるもの、「ガスコンロ」「換気扇」「洗面台」「コンセント」など、ぱっと出てきますか?あるいは動物の名前、どれくらい言えるでしょうか。「トナカイ」「ハリネズミ」「ナマケモノ」…。ネイティブだったら、生活の中で自然と覚えていく単語が、英語学習者にとっては、案外難しかったりします。
洋書を読んでいると、こういう日常的な単語にたくさん出会います。もちろん、身近なモノの名前だけでなく、ありとあらゆる単語が、これでもかというほど出てきますので、読書を継続することで、自然と語彙力が向上していきます。
④ 異文化理解が深まる
「言葉を学ぶことは、その国の文化を学ぶこと」とも言われます。
実際、洋書を読んでいると、海外の学校生活や職場の様子、あるいは家族関係や恋愛模様などを垣間見ることができます。それに加えて、英語の表現や言い回しから、その国の文化を感じ取ることもできます。例えば、「It’s not my cup of tea. (それは私の好みではありません。)」なんて、いかにも紅茶好きなイギリス人らしい表現だと思いませんか。
日本語でも、「おかげさまで」とか、「いただきます」「ごちそうさま」のように、ぴったりと英語に訳すことができない言葉がありますが、こういう言葉にこそ、日本的な精神が宿っているように感じます。
洋書を読むことで、その国の文化や価値観、哲学を、より深い部分で理解することができるようになると感じています。
⑤ 自信がつく
洋書を読むのは、簡単なことではありません。でもだからこそ、読めるようになった時の達成感は大きいですし、自分の英語力に自信がつきます。
私自身、何年も洋書を読みたいと思い続けて、しかも何度も挫折してきたので、はじめて英語の本を読み終えた時は、飛び跳ねるほど嬉しかったのを覚えています。「やっとここまで来た!」と、自分の成長を実感した瞬間でもありました。
本好きにとって、洋書が読めるようになるというのは、ご褒美のようなもの。
洋書を1冊読み終えると、自信がついて、また次の本を読もうという気持ちになる。そうやって洋書を何冊も読んでいるうちに、英語力がアップして、洋書を読むのがもっと楽しくなる…。洋書が読めるようになると、いつの間にか、こんな正のスパイラルに入っていることに気づくはずです。