洋書を読むのは難しい。日本語の本を読むように、自然体ですらすら読みたいのに、全然思ったように進まない。
私自身、これまで数え切れないほど挫折してきました。
「英語は好きだし、頑張って読むぞ!」と本を手に取ったものの、分からない単語が多すぎて前に進まない。単語を調べても、文章全体の意味が理解できない。最初の数ページは、単語の意味を調べてメモしたり、知らないイディオムにアンダーラインを引いたり、文の切れ目に斜線を引いたりしてなんとか読み進めるも、だんだんその書き込みを見るのも嫌になってくる。そして結局、読むのをやめてしまう。
こんなことの繰り返しでした。
こうした失敗を元に、洋書で挫折してしまう理由を分析してみます。
① 語彙力が足りない
やはり、語彙が分からなすぎると挫折します。
多少分からない単語があるのは、ノンネイティブである以上、仕方のないこと。でも、あまりに分からなすぎると、さすがに嫌になってきます。
単語につまづいて先に進めないとストレスがたまる。その上、自分が思っていた以上に単語を知らないことを思い知らされて落ち込む…。
洋書を読めるようになるコツは、「楽しく本を読むこと」です。楽しむどころか、ストレスになったり落ち込んだりしていたら、続くわけがありません。ですから、洋書を読むためには、語彙力が必須です。
語彙力を上げるために、単語帳を利用している人も多いと思います。でも、私のおすすめは、他の勉強をしながら語彙を増やしていく方法です。例えば、オンライン英会話をやっている方なら、その日の教材に出てきた単語をノートにまとめていく、ラダーシリーズで多読の練習をしながら、巻末の単語リストで分からなかったものをまとめていく、など。単語帳を丸暗記するより、実際に出てきた英単語を覚えていく方が記憶に残りやすいです。
② 文法を理解していない
1つ1つの単語は分かっても、文全体の意味がよく分からない。単語をつなぎ合わせれば、何となく推測はできるけれど、それが合っているのか分からない。分からないまま読み進めるも、だんだん物語の筋が追えなくなってくる…。
これも私の経験なのですが、文法知識が不十分だと、洋書を読むことができません。
仮定法、分詞、過去完了形など、きちんと理解できていますか?どれも洋書を読んでいると必ず出てくる文法です。文法知識が不十分だと、正しく文が理解できません。文を理解できなければ、物語を楽しむことはできません。ましてや、作者が文章に込めた思いやニュアンスを感じ取るなんて、とうてい無理な話です。
文法の勉強と聞くと、反射的に「難しそう、嫌だ」と感じてしまう人もいるかもしれません。でも、文法項目は限られているので、英語の基礎がある方なら、半年もあれば一通りおさらいできてしまいます。文法知識であいまいなところがあると感じている方は、一度本腰を入れて勉強することをおすすめします。
③ 英語を読み慣れていない
日本語でも、普段から本や新聞を読んでいない人は、長文を読むのが苦手です。英語も同じで、普段から英文を読んでいない人が、いきなり分厚い本を読むなんてことはできません。
日本語だったら本も新聞も長時間読めるのに、英語の本だと集中できない、すぐ眠くなってしまうという場合、英文を読む量が足りていないことが多いです。英文を読み慣れていないと、アルファベットを見ているだけでストレスに感じます。それで、集中できなかったり、眠くなってしまうのです。
英文に慣れるためには、読書を習慣化する必要があります。毎日、簡単で負担のないレベルの本を10分、20分読む。それを継続することで、英語の長文に対するアレルギーがなくなって、分厚い本も読めるようになっていきます。
④ いきなり難易度の高い本に手を出す
英語力に自信のある人ほど、いきなり難しい本を選びがちです。というより、難しいかどうか考えずに好きな本を選び、「思ったより難しかった…」となるケースが多いです。
まず、「基本的に原作はすべて難しい」と頭に入れておきましょう。不思議の国のアリスもハリーポッターも、洋書初心者からしたら「難しい本」です。大学受験やTOEICなどの試験には出てこない単語がたくさん出てきますし、文法も「教科書通り」ではない、少し複雑な形で出てきます。「子供向けの本だから簡単」なんて思って手を出すと、痛い目にあいます。
ですから、いきなり原作を読むのはおすすめしません。ラダーシリーズのような、英語学習者向けに書かれた本から始めて、少しずつステップアップしていきましょう。面倒に思うかもしれませんが、このステップを踏まないと挫折します。遠回りのようで、これが一番の近道です。
⑤ 分からない単語を気にしすぎる
分からない単語を1つ1つ調べる。これも、本を読むのが嫌になる原因です。
単語を几帳面に調べていると、時間もかかるし集中力も途切れます。本を読んでいる時間より単語を調べている時間の方が長かった、なんてことにもなりかねません。
絶対に単語を調べるな、というわけではありませんが、必要最小限にとどめましょう。なんとなく文脈から推測できるなら、調べずに進んでいきましょう。洋書を読むためには、完璧主義は捨てる必要があります。
「完璧に理解して少しづつ進むより、不完全でも先に進む。」
これが挫折しないコツです。